季節と五臓の話
大阪メトロ今今里筋線清水駅徒歩5分 ひかり鍼灸院のブログをご覧いただきありがとうございます。
院長の仲光です。
今回は東洋はり医学会なみはや支部のFacebookにも投稿させていただいた記事です。
当院のホームページでも読めるように掲載します。ご興味のある方は是非ご一読ください。日付は投稿時のものですので多少の時差があります。
2022年5月5日に立夏を迎えました。暦の上ではもうすっかり夏のようです。そして、本投稿作成時の5月21日は小満です。
小満は「すべてのものが次第に伸びて天地に満ち始める時期」と言われるそうです。
今の世の中では、梅雨が明ければ夏という感覚なのですが、二十四節気ではずいぶん早く夏を迎えています。
ただ、我々が行う経絡治療においてはこの二十四節気による春夏秋冬の方が現代の季節の感覚よりもしっくりとくるので不思議なものです。
夏は東洋医学においては心の気が旺盛になる時期です。
心は五行においては栄・火。栄とは気血の流れを水の流れに例えた場合「留まる所」という意味であり、五大病証と言われる中での心の病証的性格は「身熱」です。
身熱とは自覚的他覚的或いは局所的に熱するものをいい、これは体温計で計って出る熱ではなく、こもった熱をあらわしています。
心の変動による具体的な症状としては動悸、意識や感覚障害、咽喉の渇き、心痛等があります。
私達が学ぶ東洋はり医学会の経絡治療では、基本的には心経を直接触ることはなく、心包経を代用として使うか、「虚すればその母を補う」「実すればその子を瀉す」の原則から脾経や相剋関係にある腎経を使うことが多いです。
このように今は日々訪れる患者さんには心の変動に対する症状が現れてないか注意を払いながらも普段の治療を行っています。
そして、この後も季節は変わっていきますので、次は立秋を前にして脾の変動に注意が必要な夏の土用に繋がっていく訳です。
土用は各季節にありますが、夏の土用が一番有名ですね。あのウナギを食べるやつです。
皆様もこれからの季節の移り変わりにお気をつけていただき、夏の土用にはウナギを食べてくださいね!