鍼の種類:鍉鍼

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院長の仲光です。

鍉鍼(ていしん)とは?

今回は「刺さない鍼」の代表格である鍉鍼についてです。

鍉鍼は古代中国の医学書とされる黄帝内経・素問・霊枢のうち、霊枢の第一巻である「九鍼十二原篇」に登場します。

その中で「鍉鍼はその先が黍や粟のように少し小さく丸くなっており経脈を軽く圧するのであるが、決して凹みができるほ程強くしてはならない。それによって経気を調えるのである。(和訳)」と書かれています。

つまり、形状としては上の写真のようなものであり、用途は経絡上の気を整える(=脉を整える)ということですね。鍉鍼はその用途や流派などによりその使い手によって様々なものがありますが、私が所属している東洋はり医学会の脉診流経絡治療で使用する鍉鍼は上の写真のものです。

用途としての「脉を整える」というのは先にご説明した毫鍼も同じですが、やはり決定的な違いとしては「刺すか刺さないか」という事です。毫鍼では補法(気を補う)にしても瀉法(過度に溜まっている気を流す)にしてもどうしても鍼尖が皮膚に接触します。ですので小さなお子様や鍼に敏感な患者様などには毫鍼は向かない場合があります。

そこで登場するのがこの鍉鍼です。先が丸くなっているのでお子様や鍼に敏感な患者様でも安心して治療を受ける事ができます。

では、同じ気を流す効果があるのだから全部鍉鍼でいいのでは?と思う方もいるかもしれません。

確かに鍉鍼を使っても気を動かすことはできますが、やはり毫鍼で治療するのとは差が出ます。特に脉を診た時の良い脉の指標である「脉が締まった状態」という点においては鍉鍼は毫鍼には及びません。

しかしながら鍉鍼でも治療前よりも十分に良い脉にする治療はできますので鍼が苦手で鍼灸院に足が遠ざかってしまっている方もお気軽に治療を受けに来てください。鍉鍼には他にも様々な用途で使用しますので治療の際に見かけることは多いと思いますよ。

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